小栗往還記/風雅の帝光厳

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小栗判官は歌舞伎で馴染みのあるヒーローだ。この小栗が辿った縁の場所を著者が訪ね歩く。現代と小栗の時代が交錯する。物語はドラマティックで、著者の暖かい眼差しや小栗に関わる者の助けあう強さを感じる。
光厳帝は北朝の帝で歴代天皇に数えられていないが、和歌集を編纂したり、日本を文化の面から支えようとした天皇であった。後醍醐天皇との確執や、天皇と天皇の戦いがあった激動の時代にあって、治君の君として、世を治めておられた。

あらためて、日本という国の根っこを感じさせてくれる一冊と思う。

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